パリで起業!? ― フランスでの会社設立方法(概要)

2017/02/02

以前、知人からいただいた課題で「フランスにおける会社設立に関する概要」をまとめたことがあります。基本的なことばかりではありますが、ボクのように必要としている人もいるかもしれませんので共有します。

 

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こんにちは、パリノメモの筆者をやっているジュロウです。ツイッターはこちらです(@Parisnomemo_)。

 

以下、フランスにおける起業の基本概要をどうぞ。


 

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1. 会社設立

フランスでの会社設立方法は、日本における手順と基本的には似ています。ただし、フランスの特徴として、以下のように多様な法人形態があるということがわかります。このなかから、企業形態にもっとも適したものを選択可能なのです。

  • 株式会社(SA)
  • 単純型株式資本会社(SAS)
  • 有限会社(SARL)
  • 株式合資会社(SCA)
  • 欧州会社(SE)
  • 単一出資有限会社(EURL)
  • 簡素型単一株主株式会社(SUS)
  • 合名会社(SNC)

たくさんあってゴチャゴチャしていますが、これらの法人形態のうち、おもに選択されるのは株式会社(SA)単純型株式会社(SAS)有限会社(SARL)の3形態です。それぞれの特徴をまとめてみましょう。

 

■ 株式会社(SA) : 低資本金額37,000ユーロ。出資者数、自然人1人以上を含む7名以上。上場可能。おもに大会社によって用いられる法人形態。

■ 単純型株式会社(SAS) : 最低資本金額、定めなし(ただし、フランス非居住者の場合最低約5万ユーロの元手が審査を通すために望まれる)。出資者数、1名以上。上場不可。名称の通り、株式会社(SA)を簡略化した形態であり、強行法規を多く含むフランス会社法が国際化時代における企業のニーズに対応する形で生まれたものである。

■ 有限会社(SARL) : 最低資本金額、定めなし。出資者数、1名~100名(ただし、出資者が1名である場合、事実上、単一出資有限会社(EURL)となる)。上場不可。フランスに進出する日本企業含め、統計上もっともフランスで活用されている形態である。

 

最後に、フランスにおける会社設立手順の要点を示すために、JETRO(日本貿易振興機構)の調査(「会社設立の手続き:フランス」)より一部を引用します。

 

  事務所探し、賃貸契約締結、または不動産取得による会社本拠地の指定

  法人形態 (SA、SARL、SASなど)の選択

  会社定款の作成および署名(定款作成には、登記住所、会社役員、会社の目的の確定などを済ませておく必要があります)

  EU域外の外国人役員の場合には、長期滞在ビザと滞在許可証の取得、あるいはフランスに居住することを希望しない外国人役員のための事前届出の履行

  商号の選択、最初の役員氏名や住所の選択

  法的に必要な場合は、会計監査人の選任

  資本金の設定

  フランス国内の銀行口座の開設、および設立中の会社資本金の払い込み

  本社所在地の税務署への定款登記

  設立通知の法定公告掲載紙へ公示

この項目をたどれば、一応のところは会社が設立されるわけですね。

2. 必要ステータス

フランスに居住して会社を設立する場合、「長期滞在ビザ」と、そのビザの種類に応じた「滞在許可証」の2点が必要です。

数種類ある滞在許可証のうち、起業が可能となる滞在許可証は以下の通りです。

  • 商工業活動用滞在許可証(「商工業活動を行うためのビザ」を取得した場合申請可能)
  • コンペタンス・エ・タラン(直訳:「能力と才能」)
  • 個人的 / 家庭的事情による滞在許可証(おもに「配偶者ビザ」などにより申請可能)
  • 外国人居留許可証(通称「10年カード」)

「個人的 / 家庭的事情による滞在許可証」と「外国人居留許可証」の2点は、フランス人との入籍などの特殊事情によって得られる許可証であるため、起業を第一目的としている人がいきなり取得できるものではありません。

 

そのため、「商工業活動用滞在許可証」と「コンペタンス・エ・タラン」の取得が、起業を目的としている人にとっては現実的であるといえるでしょう。なお、「商工業活動用滞在許可証」は、許可証の期限が1年であり更新可能回数が無制限であるのに対して、「コンペタンス・エ・タラン」の許可証は期限が3年であり更新可能回数が1回です。

 

いずれにせよ、起業のためにビザを取得するのは容易なことではありません。そのため、2009年1月より本格的に制度化した「個人事業主制度(auto-entrepreneur)」を利用して個人事業を立ち上げてから、それを会社化させるタイミングで滞在ステータスを切り替えるという手法が考え得る1つの有効手段かもしれません。とはいえ、この方法の可能性に関してはまだ曖昧にしか把握していません…。(「個人事業主制度」は、学生や外国人であっても、ビザの種類は問わずにフランスでの滞在許可が出ている者であれば申請が可能です。)

 

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こんにちは、マエダジュロウです(@Parisnomemo_)。 フランスで働いてみたいと考えているみなさん、フランスのAuto-entrepreneur(個人事業主制

 

3. 雇用

会社を設立して従業員を雇用する段階になったとしても、フランス国籍を所有しない者(ここでは日本人)を雇うのは非常に困難なことです。フランス国民の雇用を守ろうとする動きが、外国人雇用を妨げるからです。

 

日本人を雇用するためには、まず一定期間、所定の方式で求人広告を出さなければなりません。その際、応募してきたフランス人を不採用にする場合、その理由も明示しなければなりません。つまり、雇用されるのがどうしてもその日本人でなければならないという正当な根拠を、厳格な審査に通さなければならないのです。

 

それゆえに、認可困難な就労ビザを与えずに日本人を雇用する手段としては、

① 配偶者ビザを有する日本人を正社員として(多くの場合は女性)

② 学生ビザを有するものを研修生として

③ 新たに法人を設立させて業務提携をするという形で

…雇うという方法が考えられます。

 

ただし、①の場合は被雇用者が素人同然であるという点で、②の場合は学生ビザの延長を繰り返すうちに取締りの対象になる危険性があるという点で、③の場合は手続きが面倒である上に滞在許可証がおりる保証がないという点で、それぞれにリスクがあります。

 

※ 上記の内容は全て独自の調査によるものです。内容の精度を保証する根拠はありません。

 

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