ボクが愛読している飲食ジャーナルサイト(仏) ― 「ATABULA」にフランスのピザ事情に関する記事が投稿されました。翻訳して紹介します。
「indice pizza 2015」によると、2015年にフランス人は8億1900万枚のピザを消費した。2014年の数値に対して1.23%増加したことになる。
フランス人がもっともピザをよく消費するのはイタリアンレストラン内であり(51%)、次点でスーパーマーケット(24%)、そしてキャミオンカーでの販売や配達販売が10%であり、フードコートでの消費が15%である。
2014年に比べて、ピザの値段はやや下がった。ピザの値段は平均6.28ユーロである。配達ピザは依然として最も高い値段を提示している(平均12.10ユーロ)。一方、イタリアンレストランでは平均10.54ユーロである(テイクアウトの場合は平均10.07ユーロ)。
【原文】http://www.atabula.com/pizza-consommation-france/
※ サムネ画像は原文より引用。
※ 意訳あり。
フランスは言わずと知れたピザ大国のようですね(ボクは知らなかった…)。
記事が参照しているデータを見てみると、よりわかりやすく記載されていました。
画像で表示したデータの概要は記事で紹介されていたので省略するとして、このデータの下のほうに紹介されていた情報によると、フランスでピザの平均価格がもっとも高い町はロワール地方のソーミュール(Saumur)というところのようです(14.05ユーロ)。パリは第4位(12.60ユーロ)(意外!)。ちなみにピザの平均価格がもっとも安いのはコルシカ島のコルテという町です(8.90ユーロ)。
さらに面白かったのは下記のデータです。

「Temps de travail nécessaire pour acheter une pizza」というのは、「ピザ一枚を買うのに必要な労働時間」という意味です。こうやってピザの値段ひとつをとってみても、論理的に体系化してさらに皮肉っぽく明示するところがいかにもフランスっぽい。
オレンジ色の時計で表されているのがフランス全体の平均、赤い時計がコルシカ島で最長時間を示していて、緑の時計はイル=ド=フランス(パリとパリ近郊の地域圏)で最短時間を示しています。つまり、ピザ一枚買うのに、フランス人は平均44分、コルシカ島(最長)で47分、イル=ド=フランス(最短)で35分働かなければならないのです。
ピザの価格がフランスでもっとも安い町がコルシカ島にあるのに(8.90ユーロ)、ピザ一枚買うのにもっとも働かなければならない場所がコルシカ島というのは、つまりは少なくともピザだけを見た場合、コルシカ島は賃金と物価の近郊が釣り合っていないということなのでしょうか。あるいは、完全にバカンス地として成り立っている島だから、なにか特殊な経済体系が成立しているのでしょうか(このへんはテキトーな考察です)。
次にフランスを訪れる際は、「ピザ」というフランスの飲食文化にも目を向けてみたいと思います。これまではフランスでピザに触れる機会があまり多くなかったので……。