「美食家」になりたい人が読んでおくべき11冊の本!!

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真の「美食家」になるにはどうすればいいのでしょう?

いろんな料理を知っていて、いろんなものを食べてきて、そういった経験ベースなことももちろん大事なんですが、ボクは「考える力」がもっとも必要なことだと思っています。

なんで米飯とお酒は一緒に飲まないの?

なんでフランスはコース料理なの?

なんで日本でワインを作ってるの?

 

答えられそうで答えられないこういった些細な質問には、意外と多くの要素が複雑に絡まり合っています。それを紐解いていくと、今までは見えなかった世界が食卓に広がっていくのです。

こういった、もっと知的な領域、文化的な領域でボクらの「飲み食い」を理解してこその真の美食家なのだと思います。

 

今回は、大学時代から飲食の文化研究というものに携わり、現在はパリ・ソルボンヌ大学・大学院の飲食文化研究コースに所属しているボクが、もっと知的に「飲み食い」を楽しみたいという方に向けて、11冊の本を紹介していきたいと思います!

 

「ワイン愛好家」を目指す人はこちらをどうぞ

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ワイン愛好家を名乗りたければ、とにかくワインについて語れなければなりません。 もちろんなんでもかんでも語れればいいというわけではありません...

 

「飲食」にかかわる知的な11冊の書籍

一冊目『飲食というレッスン』

難易度:★★★☆☆

これはボクのバイブルです。5回くらい読みました。早稲田大学の福田育弘教授が、自身の飲食研究を書籍化したもので、非常に易しい文体で書かれています。

日本の食卓風景とフランスの食卓風景を比較することによって、「なんでフランスはコースで食べるのか」や、それに対して「なんで日本はコースで食べずに一度に全ての品を並べるのか」などの問いかけをしています。

日本の食事システムにおける「日本酒の立ち位置」と、フランスの食事システムにおける「ワインの立ち位置」を比較しているのも興味深いです。

正直この本めちゃくちゃ面白いです!

二冊目『「酔い」のうつろい ― 酒屋と酒飲みの世相史』

難易度:★★★☆☆

日本における「ワイン製造」と「ワイン文化研究」に多大な功績を残した麻井宇介氏の残した著作。いち早く「酒文化」というものに目をつけて、先駆的な研究をした元メルシャン醸造責任者の麻井宇介氏は、ボクにとって「神」的な存在です。

この著作、『酔いのうつろい』では、酒税の変遷や酒を飲む空間(酒場)、あるいは酒を注ぐ容器の形の変化などに着眼して、日本における「酒」および「酔い」というものがどのように変化してきたのかということを語っています。

酒好きを自称する全ての人に読んで欲しい、おすすめの一冊!

三冊目『人間は脳で食べている』

難易度:★☆☆☆☆

これは、その著作名のとおり、人間がいかに味そのものではなく情報に左右されて「おいしい」を判断しているのかということについて書かれています。

TV番組『芸能人格付けチェック』とかで、その人が「本当に味のわかる人」かどうかを検証してるのも、つまりそういうことですよね。

なんの説明も無しに出された料理と、たとえそれが嘘だとしても「一流の食材を使いました」と説明された料理のほうが美味しく感じちゃうんです、人間って。

そういったプロセスについて具体例を挙げて説明したのがこの著作です。サラッと読めるので、一瞥しておいても損はないかも?

四冊目『食の世界にいま何がおきているのか』

難易度:★☆☆☆☆

これは、遺伝子組み換え食品とか狂牛病とかの騒ぎを経て、「食の安全」について真剣に考えなければならなくなった時代に出た一冊ですね。

工業化、グローバル化など、世界の構造が大きく変わって、それらがボクたちの「食」に影響を与えているんだっていうことをまとめています。

現代人ならばこのくらいの情報は基本として抑えておくべきかもしれません。実際にボクたちの体に関わってくるわけですから。

簡単なので一瞬で読めます。

五冊目『フード右翼とフード左翼 ― 食で分断される日本人』

難易度:★★★☆☆

これは面白かったですねー。タイトルをみたときビビっときました。

メディア論とか都市論をおもに取り扱っているライターの速水健朗氏の一冊で、「何を食べるかの選択は、政治的な意志を反映している」という視点で書かれています。

ファーストフードやコンビニ弁当を選ぶ人たちと、オーガニック食品を選ぶ人たちとでは、彼らのもつ「政治思想」というものが異なってくるというわけですね。

正直、速水健朗氏の視点とか考えていることがカッコよすぎて読みながら震えました。おすすめの1冊!!

六冊目『カレーライスと日本人』

難易度:★☆☆☆☆

インパクトあるタイトルですねー。

いまや日本の食卓の重鎮になっているカレーライスですが、いったいどのような経緯を経てこうなったのでしょうか。

この著作では、インド発祥と言われる「カレー」が、イギリスという国を通過して日本に導入され根付くまでを徹底的取材と現地調査で明らかにしています。

ひとつの料理に着目して、それがどのようなルートで、どのような過程で1つの社会の中に根付くのかということに関して、非常に模範的な調査をしています。

カレーライスが好きな日本人なら、もはや一般教養として読んでおいてもいいかも!読みやすいですよ!

七冊目『食事の文明論』

難易度:★★★☆☆

これはもう…。日本における「飲食研究」を切り開いた先駆者とまでいわれる文化人類学者の石毛直道氏の著作です。

いろんな地に向かっていろんなものを実際に食べなければならないため「鉄の胃袋」を持たないといけないと言われている文化人類学者、石毛直道氏はその代表格・先駆者なのです。

この著作では、人類にとって「食事」ってなんなんだよと、もはや人類スケール・文明スケールで「食事」というものを捉えています。

食事ってなんなんだ、食事の原点ってなんなんだ、そんな究極の疑問に真っ向勝負をしかけます。

八冊目『料理の四面体』

間違いなくこれも名著。

東大の仏文科を卒業して渡仏した著者の玉村豊男氏は、70年代・80年代から「フランスの飲食文化」に関するエッセイを書き始めた、この分野における先駆者です。

フランス文学出身者の中で、初めて飲食についてエッセイを書き始めた人なのではないでしょうか。

この著作『料理の四面体』は、「料理本」を名乗ってはいるものの、レシピの解説をしているわけではなく、むしろその料理の調理法の構造を論理的に解体して説明しています。

伝わりづらいかもしれませんが読めばわかります!

目からウロコの料理論!!

九冊目『美食家の誕生』

難易度:★★★★★

これは、正直難解でしたね。これを一冊全部読み切るとなるとかなりの日数がかかるのではないでしょうか。そもそも400ページくらいあるし。

著者である橋本周子氏が、自身の博士論文を元に書籍化した1冊です。

「美食家」というのは、食べたものの批評をすることがその仕事の1つになるわけですが、じつはこの行為こそが現代普及している「レストランガイド」の起源だったりします。

本著では、そんな「美食家」のフランスにおける原点といわれているグリモ・ド・ラ・レニエールに焦点を当てて、美食家の誕生と、それに応じて発生した「美食観」というものに言及をします。

難しいけど、フランス文学とフランス料理が好きならば読んでおくべきかも!

 

十冊目『レストランの誕生』

 

難易度:★★★★☆

これも正直難しいです。でもめちゃくちゃ読み応えがあります。450ページ超えです。

「レストラン」って、いまやめちゃくちゃ普通の存在ですけど、その原点って知ってますか?最初は、体の弱い人を「回復させる(restauration=レストラシオン)」させるための場所だったんです。

そんな空間が社会と時代の変化に合わせて、人々による受け入れられ方も変化して、現在の形いたるのです。

本著はフランスにおけるその過程を多くの裏付けエピソードとともに緻密に解説してくれています。

もともと英語で書かれた研究を翻訳したものなので、スムーズには読みにくいんですが、濃密な一冊であること間違いなしです。

 

十一冊目『食の社会学』

…この本は正直言うとまだ読んでません。

ただ、ボクの勘が言ってます。これはぜったい面白いです。なんでそんなことがわかるのかというと、これが2016年に出版された本だからです。

正直、飲食の社会学研究では、「農村時代→工業化時代→オーガニック思考時代」と、もはやわかりきった時代の流れがよく言われるんですが、そのうえでさらに2016年に『食の社会学』というタイトルでドドンと出版されているわけです。

これは、工業化時代による弊害と、それに反発したオーガニック思考時代をもさらに乗り越えて、その次にどこに向かうべきなのかという問題提起をしてくれている証拠だと思います。

2016年にあえて『食の社会学』を打ち出す、この一冊の試みが気になるところです。先に読んだ方がいましたら感想を聞かせてください。

 

 

いかがでしたか。

もちろん今回おすすめした本が全てではありません。
世の中には、私たちが日常的に行っている「飲食」を面白い視点から捉え直した本がたくさんあるのです。

また、興味深い本を見つけたら随時追加していきたいと思います!

目指せ、知的な食いしん坊。

 

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