フランスの大学院で実際に出された論述試験(Dissertation)のお題を公開!

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こんにちはマエダジュロウです(@Parisnomemo_)。

これからフランスの大学や大学院に入学をしようとしている人は、実際に入学したあと、どんな課題やどんな試験に日々苦戦させられるのかが気になることでしょう。

今回は、パリのソルボンヌ大学・修士課程で実際に1学期を過ごしてみて、その学期末試験で課された4つの論述試験のテーマを紹介してみようと思います!

【note記事】ソルボンヌ大学院に通いながらフランスで働いているぼくが自分のフランス語学習歴を赤裸々に語る

 

論述試験(Dissertation)って?

「思考力」と「論理力」を試される試験

そもそも、Dissertation(ディセルタシオン)と言われる論述試験ってどんな試験なのでしょうか?

 

Dissertation(ディセルタシオン)は、とある「お題」を与えられてそれについて2〜4時間で「論述」をせよというシンプルだけど究極の試験方式のことです。

よくわからないと思いますので、極端な例をあげてしまいますと、たとえば「人間は動物よりも勝っていますか?あるいは劣っていますか?」というお題に対して、2〜4時間をかけて自分の主張を論じるといった感じです。

めちゃくちゃシンプルではあるんですが、何かを暗記した知識とかを試されるのではなく、1つのお題に対してどれだけ論理的に考えられるのかという「思考力」と「論理力」を測る試験なので、なかなか難易度が高いのです。

じつはこのDissertation(ディセルタシオン)という試験、フランスではけっこう一般的な試験方式で、たとえば大学入学資格を得るバカロレア試験では、4時間にわたるこうした論述試験がフランス全国の高校生たちに課されます。

 

所属は地理学科・飲食文化研究コース

たとえばそういったバカロレア試験なんかでは、受ける学生の得意分野がさまざまなので、比較的誰にでも触れやすいお題が選ばれます。

たとえば、2016年のフランスのバカロレアの論述試験では、分野によって以下のようなお題が出されました。

 

【文系】「欲望とは本来際限のないものなのか?」

【理系】「労働時間を減らすことは、良き生活につながるか?」

 

一見、難しいといえば難しいですけど、でもどんな人にでも一応は回答ができそうなテーマですね!

 

さて、ぼくが今回受けてきた論述試験は、バカロレアのものではなく、ソルボンヌ大学・修士課程の地理学科(飲食文化研究コース)という学科によって出題されたものです。なので、一般的にだれでも答えられそうなお題ではなく、むしろある程度の専門知識がないと回答すら不可能であるようなテーマばかりでした。

さっそくどのようなお題が出されたのか見てみましょう。

 

実際に出された4つのお題

 

お題その一

【お題】En vous appuyant sur le cours et vos connaissances personnelles, montrez, après les avoir présentés, l’importance des Marchés d’Intérêt National (MIN) en matière d’aménagement, d’économie et de distribution.

【和訳】講義内容と個人的知見に基づいて、それらを提示したのちに、「公益市場(MIN)」の、設備的・経済的・流通的重要性を述べよ。

 

「市場と流通」という講義の期末試験で出題された論述問題のテーマですね。たとえば現在だとフランスにはランジス市場という公益市場があるのですが、そういったことに関連するある程度の専門知識がないと回答は不可能ですね。

ちなみにぼくはランジス市場に2回行ったことがあったので、具体例を出して回答することができました。

 

お題その二

【お題】En quoi les paysages et le terroir rassurent-ils le consommateur de produits alimentaires ? Avec quelles limites ?

【和訳】「ペイザージュ」と「テロワール」は何において食品の消費者を安心させることができるのか?また、それにはどういった制限があるのか?

 

これは「ペイザージュとテロワール」という講義の期末試験で出題された論述試験のテーマです。さきほどの公益市場の問題よりは専門知識は必要ありませんが、それでもフランスの飲食業界でよく使われる「ペイザージュ」や「テロワール」の概念をよく理解していないと回答はできないでしょう。

 

お題その三

【お題】Peut-on parler d’une « nouvelle planète » des vins ? Si oui, quelles en sont ses caractéristiques agronomiques, économiques ou culturelles ?

【和訳】ワインの「新世界」について議論することは可能か?もし可能であれば、その「新世界」の農業的・経済的・文化的な特徴はどういったものか?

 

ワインの文化論の講義の期末試験で出題された論述試験のテーマです。ワインを少しでも嗜んでいる人であれば、アメリカやオーストラリアを中心とするワインの「新世界」は比較的身近な存在なので、回答しやすいかと思います。ただ、ワインに無縁の人であれば、これはまた一から知識を叩き込まないと回答は不可能ですね。

ちなみにここまでの3つのお題の回答に与えられた時間は2時間です。2時間ってけっこう短いんで、シンプルに答えなきゃいけません。

 

お題その四

【お題】Alimentation et distinction sociale, des origines à nos jours.

【和訳】食べ物と社会的ディスタンクシオン、その起源から今日まで

 

これは……問題文が配られたときに教室がざわめきました。「飲食の歴史学」という講義の期末試験で出された論述試験で、論述時間は3時間、おそらく4つの試験のなかでもっとも難しいものでした。

そもそも「ディスタンクシオン(差異化)」という概念をしっかりと理解していなければなりませんし、その概念と「食べ物」との関係性を論じるためにも、豊富な具体例がないといけません。

試験開始15分でフランス人の学生が諦めて退出した様子を目の当たりにしたときは、「これは意地でも回答しきってやる…!」と自分を奮い立たせたものです。

 

 

いかがだったでしょうか?

フランスでDissertationという論述試験が一般的に行われているということまではわりと知ってる人が多いかと思いますが、大学院レベルの教育機関で実際にどういったお題がでるのかといったことまではなかなか知ることができませんよね。

ぼくも今回のこれらの4つの論述試験を受けてみて「なるほどな〜。こんな感じなのか」と思ったのでぜひこれらを紹介してみようと思いました。

それではまた!

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