
こんにちは、パリノメモの筆者をやっているジュロウです。ツイッターはこちらです(@Parisnomemo_)。
フランスの女性といえば、みな自立して働いて、男性と対等になるほどに社会進出をしているというイメージがありますが、実情はどうなのでしょう?
当ブログが提携している「TIPAのフランス日記」のアントワーヌがパリの町中でパリジェンヌたちに実際に突撃インタビューをしました!
実際のパリジェンヌたちは、フランスの男女差別についてどんなことを思っているのでしょうか?

パリジェンヌが感じる男女差別は「給与格差」!?
普段は陽気な「TIPAのフランス日記」のアントワーヌ、またまた面白い企画を持ち出してきました!
ずばり、フランスに男女差別はあるのかどうか、パリジェンヌに実際に聞いてみようという突撃インタビュー企画です!
さっそく見ていきましょう!

▲「男女平等だと思うか?」ストレートにパリの町中を歩くパリジェンヌに問いかけます。

▲するとパリジェンヌは真っ先に「職場での給与事情」について男女格差を批判します。

▲職場意外で男女差別があるのか聞いてみると…


▲キッパリとした態度で、普段は男女差別を感じないと返答します。それはそれですごいなと思うんですが、いずれにせよやはり「職場での待遇」がひっかかるところではあるようです。

▲次に突撃インタビューをした女性もまっさきに「給料」のことを話題に出します。


▲ジョークも交えて、その問題の深刻度を語ります。2180年!

▲お次は子供を産まなかったというキャリアウーマンのパリジェンヌ。


▲自分は経験を認められて男性と対等な給料をもらってるけど、裏を返すと、経験が無いと、女性というだけで給与が少なくなるという事実に憤慨しています。実体験だと説得力がありますね。
もちろん何十人にもインタビューをしたわけではありませんが、それでも突撃インタビューでこれだけ共通項のある回答が返ってきたということは、パリジェンヌたちにとって「男女の給与格差」という問題は、それなりに深刻なものとして認識されているということができそうです。
男女の給与格差の世界事情

「PRI:正社員の男女間賃金格差の解消に向けた検討」より
男女の給与格差に対して国民が不満を抱いているフランスですが、実際に世界の他の国々と比べるとどうなのでしょうか。
結論から言うと、フランスにおける男女の給与格差は、他の国々に比べるとあまり大きくはありません。
上のグラフは、男性の給料を100としたときの、各国の女性の賃金です。フランスは85.9と高い数値を誇っており、それに対して日本は73.4という低い数値を示しています。フランスの女性は男性の8.6割り程度支払われているのに対して、日本の女性は男性の7割強しか給与が支払われていないのです。
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OECDの2013年の調査によると、男女の賃金格差の大きさを世界各国でランク付けすると、日本はなんと2位にランクインしています。フランスは20位圏外です。
1位 | 韓国 |
2位 | 日本 |
3位 | フィンランド |
・ | ・ |
6位 | アメリカ |
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14位 | ドイツ |
▲男女の賃金格差の世界ランク(フランスは20位圏外)
韓国が1位で、しかも12年連続でその地位を守り続けているというのにはかなり驚いていますが、日本の2位というランクもなかなかなものです。
韓国も日本も、男女の賃金格差が大きいようです。

「PRI:正社員の男女間賃金格差の解消に向けた検討」より
ちなみに、日本の男女の賃金格差ですが、その推移を表すグラフもありました。
男性の給与を100とした場合、2005年には女性の給与が67.2だったのに対し、その後徐々に上昇をして、2013年には73.4にまで至っています。
徐々にではあるものの、女性の給料は上がっているようです。
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日本のこういった低い数値を踏まえると、フランスの85.9という数字はかなりのものにも思えますが、それでも今回の突撃インタビューでは、実際にフランスで労働をするパリジェンヌたちの給与に対する不満の声を聞くことができました。
日常生活に男女差別があまり見られない分、ちょっとした給与の差異でも、違和感を抱くようになるという道理でしょうか。
男性が100だとして女性が85.9という数字は、たしかに他の国に比べれば高い数値だけれども、それでも男性よりも約14も低いという現状を、パリジェンヌたちは躊躇なく正面から批判をしているのです。
※画像の一部はフランス語学習サイト「TIPAのフランス日記」より引用しています。

TIPAのフランス日記の紹介動画
愉しく読ませて頂きました。
30年前には男性の半分くらいでしたからすばらしい進歩です。以前は早稲田卒で10年働くと男性の新入社員に追いつくという話も聞きました。これでは本来の力が発揮されずもったいない。日本女性の特質は底力の強さにあると思いますが、本来の素直さ快活さは失われます。
1年に1%ずつくらい改善していますから、このまま順調にいけばあと30年で解消⁉
コメントありがとうございます。
たしかに1年に1ポイントの上昇というのは、それが確実に続いたのならば大したものだと思います。30年で100%とまでは言わずとも、15年後に90%になったあたりから社会における女性の自立具合というのもだいぶ変わってくるのだろうなと考えました。