こんにちは、マエダジュロウです(@Parisnomemo_)。
あまり主流にはなっていないものの、どう考えても電子辞書よりも優れている有料の辞書アプリ。
今回は、いくつか種類のあるフランス語の有料辞書アプリを比較してまとめてみようと思います!みなさまが購入する際の参考になれば幸いです。
主要な有料辞書アプリは5つ

フランス語の辞書アプリには、無料・有料のアプリも含め様々な種類のものがリリースされていますが、機能や収録単語に不足が無いいわゆるちゃんとした辞書アプリは主に5つあります。それが以下の5つです。
・Le Petit Robert de la langue française
ひとつひとつ、それぞれの機能と特徴を解説していきましょう。
5つのアプリの特徴を解説
プチ・ロワイヤル仏和辞典(第4版)・和仏辞典(第3版)
定番中の定番のフランス語辞書アプリです。最大の特徴は、これひとつで「フランス語→日本語」検索と、「日本語→フランス語」検索のどちらも対応可能ということです。
ただし、専門用語などを調べたい場合は、このプチ・ロベールは収録されている単語数があまり多くないためおすすめできません。解説や例文も少なめです。
よって、翻訳業や文献研究などの専門用語を頻繁に検索しなくてはならない人たちではなく、どちらかというとフランス語の単語の意味をパッとだけ調べられればいいという人に向けられた辞書であると言えそうです。大学生の第2外国語の勉強とかならこれで文句無しです。
なお、このアプリをリリースしている物書堂は比較的サポートが丁寧で、またアプリのアップデートも頻繁にあります。正当なリクエストをすればアップデートの際にけっこう反映させてくれたりもします。
ちなみにぼくはこのアプリをアイフォンに入れて使っています。とにかくフランス語の勉強を始めるために辞書が必要だという人は、このアプリを選んでおいて間違いありません。
こ の ア プ リ の ま と め | |
アプリ価格 | 5,800円 |
収録単語数 | 4万6千語 |
検索言語 | フランス語 → 日本語 & 日本語 → フランス語 |
アプリ容量 | 206MB |
だれにおすすめ? | 専門用語に特化せず、一般的なフランス語を学ぶ人達 |
プチ・ロワイヤル仏和辞典(第3版)
プチ・ロワイヤルシリーズの「和仏」辞典です。
「日本語 → フランス語」の方向でしか単語検索をできないので、あくまで「フランス語 → 日本語」検索の辞書しか持っていないという人に向けられています。
上で紹介したプチ・ロワイヤル仏和辞典(第4版)・和仏辞典(第3版)から「プチ・ロワイヤル仏和辞典(第4版)」の部分が抜けただけなので、値段もそのまま半額です(2900円)。
和仏検索が必要な人はどうぞ!
こ の ア プ リ の ま と め | |
アプリ価格 | 2,900円 |
収録単語数 | 4万語 |
検索言語 | 日本語 → フランス語 |
アプリ容量 | 162MB |
だれにおすすめ? | 「仏 → 和」辞典しか持っていない人達 |
小学館 ロベール 仏和大辞典
圧倒的な収録単語数を誇るロベール仏和大辞典のアプリです。なんと収録単語数は12万!プチ・ロベールの3倍くらいあります。
しかも、ひとつひとつの単語に関する情報量も圧倒的に多いので、これはもう専門的な仕事でフランス語を使用している人達に向けられた辞書であると言えそうです。ちなみに、調べたフランス語単語の語源(ラテン語)とかまで出てくるので、フランス文学を研究する人はよくこの辞書を使っています。

dictionnaire(辞書)と調べると、その語源まで出てくる:ipad画面をスクショ
ただし、この辞書は大辞典であるがゆえに、1988年に出来上がったベースを軸に作られ、その後は大したアップデートがされていないので、比較的新しい単語などは収録されていないことがしばしばあります。
たとえば90年代以降に急速に普及した「インターネット」という単語は収録されていません。

「internet」と調べても出てこない:ipad画面
めちゃくちゃコアな単語まで収録されていて、解説が非常に充実しているので、感覚としては、フランス文学を学んだりする人とかに必須なアプリだと思っています。
なお、この辞書アプリは「フランス語 → 日本語」の方向でしか検索が対応していないため、和仏検索もしたいという人はすでに説明したプチ・ロワイヤル仏和辞典(第3版)のようなアプリで補う必要があります。
(日本語で用例検索だけはすることができるので、それでなんとか我慢するということもできます)
こ の ア プ リ の ま と め | |
アプリ価格 | 5,800円 |
収録単語数 | 12万語 |
検索言語 | フランス語 → 日本語 |
アプリ容量 | 141MB |
だれにおすすめ? | 文学研究などの、専門用語を必要とする人達 |
Le Petit Robert de la langue française
これは、上で説明したロベール大辞典の縮小バージヨンです。仏仏辞書であるため、もちろん「フランス語 → フランス語」での検索しかできません。なので、使う機会は限られてくるかもしれません。
たとえば、ただ単純にフランス語をフランス語で理解して効果的なフランス語学習をしたいという人はこれを使えばいいと思いますし、あるいは、ぼくのようにフランス語で論文を書かなくてはいけない立場の人にとっても役立ちます。
というのも、ある単語を調べたら、その単語の同義語を芋づる式で紹介してくれるため、いろんな言い回しを使えるようになるからです。

「considérer」と調べるといろんな同義語も紹介してくれる:ipad画面
フランス語で文章を書く場合、同じ単語や表現ばかり使っているとそれだけで減点の対象になるので、こうやって同じ意味のいろんな表現を一発で紹介してくれるのはかなり助かります。
ちなみに、その同義語の意味にはどんなニュアンスの違いがあるのかを知るために単語をタップすると、以下の画像のような形で紹介してくれます。

ipad画面
機能的で素晴らしいですね。
フランス語の表現の幅を増やしたいという人はぜひこの辞書を抑えておいてもいいでしょう。同じことをいろんな言葉で表現できるだけで、フランスでは「教養のある人」と思われますからね。
こ の ア プ リ の ま と め | |
アプリ価格 | 4,800円 |
収録単語数 | 6万語 |
検索言語 | フランス語 → フランス語 |
アプリ容量 | 94.9MB |
だれにおすすめ? | フランス語で論文を書く人達 |
クラウン仏和辞典 第6版
なんの批判のしようもない普通の辞書です。
収録語彙が特段多いわけでもありませんし、解説が充実しているわけでもありませんので、至って普通の辞書です。
強いて特徴を挙げるならば、これは「フランス語 → 日本語」の方向での検索にしか対応しておらず、その分値段が2,900円と安めであるということでしょうか。
「日本語 → フランス語」の検索を必要とせず、かつ別に専門用語を調べるわけでもなければこの辞書で十分なので、案外ニーズがあるものなのかもしれません。
個人的にはどんな人であれフランス語の勉強をするとなると、なんだかんだ「日本語 → フランス語」の検索は必要になることが多いため、あまりおすすめはできませんが…。
これと合わせてプチ・ロワイヤル仏和辞典(第3版)などの和仏辞典を買うなら、最初から仏和も和仏も入っているプチ・ロワイヤル仏和辞典(第4版)・和仏辞典(第3版)を買えばいいわけですしね。
こ の ア プ リ の ま と め | |
アプリ価格 | 2,900円 |
収録単語数 | 4万7千語 |
検索言語 | フランス語 → 日本語 |
アプリ容量 | 148MB |
だれにおすすめ? | 「仏 → 和」検索だけで構わない人たち |
まとめ:プチ・ロワイヤルが王道?
いろんな種類の辞書アプリがあるので、どれを買えばいいのか悩む人が多いかと思います。ぼくもそうでした。値段も安くはないですしね。
なのでそんな方に向けてわかりやすい3つの指針を提示するならば、以下のようになります。
仏語辞書アプリの3つの指針
① フランス語を勉強している人はとりあえず全員プチ・ロワイヤル仏和辞典(第4版)・和仏辞典(第3版)をインストール。
② 文学研究などの、専門的でコアな単語を必要とする状況にある人は小学館 ロベール 仏和大辞典も追加でインストール。
③ フランス語の表現の幅を増やしたかったり、フランス語の論文を書く人は追加でLe Petit Robert de la langue françaiseをインストール。
「ロベール仏和大辞典」と「Le petit Robert」は、それだけでは不十分だけど、状況に応じて追加でインストールすると役にたち、それに対して「プチ・ロワイヤル仏和&和仏辞典」は、正直それだけで十分であるという性質があります。つまり、後者が王道というわけですね。
あまり複雑なことをやっておらず、「とにかくフランス語の辞書が欲しい!」という感じでしたら、「プチ・ロワイヤル仏和&和仏辞典」で間違いないです。
おまけ:電子辞書はもうオワコン?

最後に、辞書アプリとよく比較される電子辞書について簡単にだけ触れます。
正直にいうと、電子辞書の時代はもう終了していて、電子辞書はすでにオワコンと化してしまっています。なぜなら、まったく同じ内容の辞書なのに、アプリのほうが手軽に使えるからです。たまに辞書アプリはオンラインの状態でしか使えないと勘違いしている人もいますが、今日紹介した有料のものは全てオフライン状態でもちゃんと使えます。
いちいち辞書をカバンに入れなくてもスマートフォンだけ持ち歩けばいいし、仮に端末が壊れてもApple IDさえあればipadとかの他の端末で再ダウンロードができるのです(というか携帯が壊れたら普通買い直しますが、端末さえ戻ってくればアプリを再ダウンロードできるから辞書だけのためにもう一度お金を払う必要は無くなります。)。電子辞書は、壊れたら、辞書だけのためにまたわざわざお金を払わなければならないですからね。
ぼくも長らく電子辞書を使っていましたが、フランスの大学院に入るタイミングで辞書アプリ(プチ・ロワイヤル)をダウンロードしました。
するとあまりに便利なものだから、なんでこれまで意地を張って電子辞書を使い続けていたのだろうと少し後悔しました。
辞書って、言語学習において何千回も何万回も使うことになるパートナーなわけですから、もっとも効率的で効果的なものを最初に選んでおいたほうがいいわけです。
これから辞書アプリの購入を検討していて、どのアプリを使えばいいのか悩んでいた方々に、今回の記事がお役に立てれば幸いです。