こんにちは、マルチリンガルをやっているマエダジュロウともうします。ツイッターはこちらです(@Parisnomemo_)。
12月はとてつもなく忙しい時期となりました。
フリーでサポート案件をこなすだけでなく、所属している大学院が学期末だったこともあり、書類作成にレポートにプレゼンなどなどと尋常じゃない作業量をこなしていたからです。
べつに全体の量でいえば大したものではなかったかもしれないんですが、問題はすべてフランス語でこなさなければならないということ。
同じ作業でも母語である日本語でやるのと、外国語であるフランス語でやるのとではかかる時間が倍くらい違ってくるんです。
韓国語だと日本語の1.3倍くらい時間かかるかな。いや、レベルによって1.5倍かも。
さて、外国語で作業をたんたんとこなし続ける日々の中思ったのですが、外国語を「書く」能力ってめちゃくちゃ習得困難ですよね!
「話す」「聞く」「書く」「読む」の4つの中で一番むずかしいんじゃないかな!
言語能力は4つの技能に分けられる!?

言葉って、自然に覚えて当然のように使うものですから普段はあまり意識しませんが、じつは「4つの能力」に分けられるんです。
そう、「話す」・「聞く」・「書く」・「読む」の4つです。
日本語だとあまりに普通にこれら4つの能力を普段から発揮してるものですからあまり意識しませんよね!?
でも、考えてみると、大学教育ではゼミのプレゼンで「話す能力」と「聞く能力」を鍛えられ、参考文献をあさりながら書き上げるレポートや卒業論文では「書く能力」と「読む能力」を訓練されますよね。
小・中・高の教育でもそれぞれ言語運用能力を上げる教育が自然と成されているはずです。
(それでもまぁ、日本は大抵の場合、国文学出身の人が国語の教員になるので、文学的な教育が中心になって、あまり「言語運用」に関しては重きが置かれていないんですが…)
いろんな外国語が飛び交うヨーロッパでは、「ヨーロッパ言語共通参照枠」なんて基準が設けられていて、それを認定する試験では「話す」・「聞く」・「書く」・「読む」の4つの項目ごとに実力を測定されます。時間がかかる試験だからけっこう高いんですよね…。
なんで「書く」が一番むずかしいの?
そんなふうに言語能力は4つの技能に分けられるわけなんですが、その中で一番難しいのはどれでしょう?
すでに冒頭で述べたとおり、ぼくは「書く」だと思ってます。
ただ、その前に、4つの技能がさらにう2つの分類されることを説明しておきましょう。
インプット能力とアウトプット能力
「話す」・「聞く」・「書く」・「読む」と、さらっと4つの項目を挙げましたが、じつはこれらはさらに2つに分類されます。
そう、インプットとアウトプットです。
誰か他の人が発した言語を自分が受信するという意味で、「聞く」と「読む」はインプット能力だといえるでしょう。
一方で、自分が言語を発して誰かに発信するという意味で、「話す」と「書く」はアウトプット能力になります。
正直、インプット能力(「聞く」と「話す」)はそんなに難しくないんです。多分。自分が受け身になるから、なんかモヤモヤッとしてても大体で全体の概要はつかめるからです。このブログの記事も日本語ネイティブなら、じっくり読まずともパパッと「おおよその内容」は理解できますよね。
ただ、アウトプット能力はちょいとややこしいです。なぜなら、発するのが自分であるから、細かいところまで意識してロジックを組み立てないと相手に正確に伝わらないからです。なんかいいアイディアが思いついたけどいざ人に説明してみたり、文章で書いてみたりすると「あれ、思ってたのと違うな」なんて経験ありませんか?
「書く」は究極のロジック
言語の習得は、「書く」→「話す」→「聞く」→「読む」の順で難しいのではと自分の中で結論付いた。
— マエダジュロウ@パリ在住ブロガー (@Parisnomemo_) 2016年12月30日
「話す」と「書く」の2つの技能があるアウトプット能力のうち、個人的には「書く」のほうが圧倒的に難しいと思ってます。
ジェスチャーや表情の身振り手振りを駆使できる「話す」と違って、「書く」ときはなんの小細工も使えないからです。使える武器は「文字」だけです。
だからこそ絵文字とか顔文字の文化が発展したのもあるんでしょうが、それでもこちらの伝えたい内容を文章で相手に伝えきるのは至難の業です\(^o^)/
外国語を使うときは特にそうです。
会話であれば単純な単語だけでもあとは身振り手振りでも伝わりますが、文章だと「何!?」と言われておしまいです。ちゃんと、接続詞・主語・目的語・動詞うんぬんを意識して相手に伝えなければならないのです。「書く」というのは、もはや1つの専門的なテクニックなんです。
まぁ、そういう意味では、ジェスチャーを使えない会話である「電話」なんかもけっこう難しいかもしれないですね。
ビジネスの場面や恋人たちのいざこざで「会って話しましょう」という決まり文句がよく使われるのはそのためかもしれません。
外国語じゃなく母語でも「書く」のは難しい!

ちなみに、今回は「外国語」に関する話しをしようと思っていたのですが、ここまでに説明してきたことは一応「母語」にも当てはまります。
日本人にとって日本語はあまりにも普通のものだからあんまり意識しませんが、じつは人によって言語能力は極端に違ってきます。
レポートを書いたり卒業論文を書いたりする経験をしたことがない人であれば、そうである人に比べて「書く」能力は劣るでしょうし、読書をしてこなかった人はしてきた人に比べて「読む」能力が劣るでしょう。というか、国の教育システムが整ってなかったときはもはや「文字を読めない」ということもしばしばありましたからね。
もちろん、それぞれ何で飯を食ってくのかは人それぞれなので、言語能力に差異があるからといって生きていけないわけではありません。たとえばアスリートに「書く能力」を求めても金メダルは取れませんよね。
ただ、今回言いたかったのは、言語っていうのはこういう性質をもっているので、外国語を学ぶときなんかはこれをしっかりと意識したほうがいいと思うということです。「話す」・「聞く」・「書く」・「読む」の4つの技能があって、自分が苦手な能力はどれか、逆に得意な能力はどれか、そういったことを意識して戦略的に学習していかないと、外国語の習得は困難なんじゃないでしょうか。
ちなみに、今から日本語の「書く」能力を伸ばしたいという人(ライター志望とかかな?)、は大学に入ってレポートまみれの日々に身を投じるのが一番簡単ですが、最近ではお小遣いを稼ぎながら「書く練習」ができるクラウドソーシング系のサービスが充実してるからそれでもいいですね。
サグーワークスなんか手軽に始められて、「書く」練習がたくさんできるからいいですよね。地味にお金ももらえるし。
それではまた!