早稲田新卒→ソルボンヌ大学修士課程に入社!?保険をかけて夢に挑戦

2016/12/18

新卒入社、大学院進学、フリーランス――。大学を卒業してからの進路は多種多様です。そんな中、早稲田大学を卒業したボクが選んだ道は、フランスのソルボンヌ大学への「入社」でした。

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こんにちは、パリノメモの筆者をやっているジュロウです。

ちょっと前に、花の都 - パリに居住地を移しました。

 

半年前に早稲田大学を卒業して、新卒の特権を使って一般企業に就職することもできたのですが、どうしてもフランスにもう一度行って、フリーランスとして働きたいという想いから、パリに来てしまったのが今のボクです。

 

さて、フリーランスとしてお金を稼ぐとはいったものの、ボクのパリでの所属は「ソルボンヌ大学の修士課程」です。学部を卒業して大学院に入ったのだから、ボクがやっていることは形式上は「進学」に分類されるでしょう。

ところが、ボクにとってソルボンヌ大学の修士課程は、これからフリーランスとして活動していくための仮宿に過ぎません。

つまり、ボクはこれからフランスでフリーランスとしてやっていくために、その仮の所属先として大学院という機関を選んだのです。だからボクのなかでは、ボクのやっていることは「進学」ではありません。

 

なんでこんなまどろっこしいことをしているのでしょうか。説明します。

 

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海外でフリーランスをする最初のステップは「海外に住む」こと

 

どんな個人事業をやるにしても、海外でそれをやるためには、まず「海外に住む」ということが必要になってきます。日本にいるときは、すでに日本に住居もあって、語学の問題もなく、交通機関やスーパーマーケットなどの生活情報も基本的にわかっているはずですが、海外に住むとなると、それらを把握するのも一苦労です。

海外に住むにあたって立ち向かうことになる困難をざっと並べてみると以下のような感じでしょうか。

  • 長期ビザ : これがないとそもそも滞在できません。
  • 住居   : 住居を構えないとなにもできません。
  • 滞在費  : いろんな予想外の出来事がおきるし、バイトだってすぐには見つからないから、ある程度の滞在費というものが必要です。
  • 語学力  : なくても住めはするかもしれませんが、語学ができないと行動に大きな制限がかかります。
  • 情報網  : 交通事情、医療事情、安い飲食店情報、イベント情報などなど、日本にいるときは自然と知っていますが、海外ではなにもわかりません。

住居を構えるのだって、生活情報を把握するのだって、日本では大した問題にならないことも、海外に住もうとするだけで、途端に大きな壁になってしまうのです。

だから、海外でフリーランスになろうとすると、フリーランスになる前に、まずは「住む」という準備に時間と労力が注がれることになるのです。

早く仕事を始めたいのに……といくら思ったところで、まずは住まなきゃ何もできないわけですから、最初は何もできずに、ただいたずらに時間がすぎていくでしょう。

そこで、これらの問題を一挙に解決してしまう手段としてボクが選んだのが、「大学院への入学」だったのです。

 

 

なぜ選んだのが「大学院」なのか

大学院に入学するという手段を選ぶと、じつは上記にあげた「海外に住む」ための準備が全部スムーズに進みます。

 

① まず最初に、「長期ビザ」は、学生ビザの取得によって解決です。学校の状況次第で1~3年間は有効であるため、とりあえずは学生ビザで体制を整えて、その後に商業目的のビザに切り替えるという形で問題ないでしょう。

 

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9月からの渡仏に向けて、学生ビザの申請をする時期になりました。通常、渡仏3週間前からのビザ申請が推奨されているため、このタイミングで大使館に出向く人は大勢いるのではないでしょうか。

 

② 次に、「住居」に関しては、学生であることによって、学生寮への入居が可能性として現れてきます。通常よりも安い家賃で、しかも場所によっては家具なんかも揃っていたりと、ゴチャゴチャすることなくすぐに生活を始めることができます。ひとまず、その国に慣れるまでは学生寮で十分だと思います。ボクも現在は、パリの「国際大学都市」という学生寮に入居しています。

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学生寮:wifiも完備されているため、到着直後からオフィスとして機能している

 

③ 「滞在費」に関しても、学生であることによって大きなアドバンテージを得ることができます。まず最初に、上記に挙げたように比較的家賃の安い学生寮に住むことができますし、交通定期や公共施設など、学生料金ですべて利用することができます。それになによりも、「奨学金」という選択肢が出てくるのが一番大きいでしょう。これは全員が取得できるわけではありませんが、採用された暁には毎月7~20万円ほどの補助金を支給されながら現地で生活をすることができます。

 

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海外留学に行くなら、必ず奨学金にチャレンジしてみるべきです。なぜならあなたの留学を他人がお金で支援してくれるんだから。ボクもいろんな奨学金に申請しました。ここではひとまず、受かった
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かつて、フランス系知識人への登竜門とまでされたフランス政府給費留学制度に、実際にボクが採用されるまでのプロセスを11個に分けて詳細を資料化してみました。

 

④ 「語学力」については、大学院という高等教育機関に在籍することによって、ゼミでのディスカッションや文献の読了など、多彩な訓練を受けるため、いやでも伸びるはずです。そもそもある程度の語学力がないと大学院に入れないというのもありますが、それはそれで、海外移住のための最初の準備となるでしょう。

 

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「何ヶ国語話せるか」と聞かれたら、「4ヶ国語話せる」と一応答えられる人間になりました。そういえば子供のころ、そういったマルチリンガルの人はどういう頭をしているんだろうと不思議に思っ

 

⑤ 「情報網」も大学院で得ることができます。というのも日本にいるときだって、地域の情報とか、イベントの情報とか、その他の諸々の情報って学校なんかで得る機会が多かったはずです。だから、大学院に通って、クラスの友達や教授などとのコネクションができることによって、日々の会話の中で現地の生の情報をいろいろと得ることができるわけです。ただ単に住んでいるだけではなく、なにかしらのコミュニティに属さないとそういう情報は入ってきませんからね!

 

その他にも、大学院に通うことによって、自分が磨きたい分野について専門的に学ぶことができたり、その分野の専門家とのコネクションができたりと、大学院に所属することによって得られる特典はたくさんあります。

 

 

 

 

無料で大学院に通うことができる!?

とはいえ、大学院に通うためには多額の学費がかかるじゃないかと指摘されそうです。たしかにその通りで、日本はもちろん、多くの国で大学院に入るためには高額な学費を要求されるため、海外フリーランスになるために大学院に入るという手段は、全員が全員できることではないのかもしれません。

 

しかしながら、幸運にも、そんな金銭面の問題も、案外なんとかなってしまうかもしれません。

というのも、まず第一に「奨学金」も、制度の種類によっては滞在費だけでなく学費のほとんどを負担してくれることがあるからです。
ボクが受給している「フランス政府給費留学制度」も、滞在費だけでなく、学費のかかる私立に通う場合は、その学費も負担してくれます。

フランス政府給費留学
留学に資金問題は付きもの。日本でバイトをして貯めるのもよし、家族の支援を受けるのもよし、いろんな方法がありますが、ボクが選んだのは「奨学金」という手段でした。

 

それに加えて、そもそも特にヨーロッパには、学費のかからない、あるいはほとんどかからない教育機関がたくさんあります。

 

 

ボクがいるフランスも、国立だと登録料が300~500€くらいかかるだけで、実際の学費自体は無料です。これはフランス人の学生だけに適用されるとか、そういうのではなく、外国人の学生であっても、正規に入学をすればその特権を得ることができます。無料で他国の大学に通えるって、これホント素晴らしいですよね。

 

 

しかも、「大学院卒」という「保険」がついてくる

海外でフリーランスとして活躍するために、孤独と戦いながら努力をしたとしても、タイミングと縁に恵まれずに、成就せずに夢が敗れてしまう可能性だってあるかもしれません。

誰しもが独立してうまくやっていけるというわけではありませんから、それはある種の仕方ないことであって、責められることでもないかもしれません。

 

そんな風に、海外での個人事業がうまくいかなかった時に、退路を用意してくれるのもまた「大学院所属」なのです。

というのも、大学院に1~2年通いながら、フリーランスとして自分の事業に挑戦してみて、もしそれがうまくいかなかったとしても、「修士課程修了」という学位を獲得することができるからです。それさえあれば、日本にもどって一般企業に就職するのもいいですし、博士課程に進学して研究職を目指すのも選択肢としてはあるかもしれません。

学部を卒業したときは、新卒というゴールデンチケットを一度捨てはしたものの、修士課程を卒業したときに、またその特権を得ることができるのです。どこに就職しても、いろんな困難が待ち構えているかもしれませんが、少なくとも、今の日本社会の就職構造において、大学または大学院を新卒で卒業したというのは、かなりのアドバンテージになるはずです。

だから、学部を卒業したあとは、海外の大学院に通いながら、やりたいことをやるだけやって、無理だったら大学院新卒として日本に帰ってきて就職すればいいのです。

退路を用意して夢に挑戦するというのはちょっとカッコわるく見えるかもしれませんが、だれでもスーパーヒーローになれるわけではないのですから、保険はかけておいてもいいはずです。

 

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留学から帰ってきて、就活シーズンに入ろうとしていたころ、ボクは就活を放棄しました。そうすることによっていろいろと思うことはありましたが、ボクの感情は、おおまかに分けて3つの段階で変

 

なんならそういったリスクヘッジの能力こそが、事業をやる人には求められているのではないでしょうか。

そんなわけで、ボクはソルボンヌ大学の修士課程に「進学」したのではなく、フリーランスとして活動するにあたって、便利な仮宿として「入社」したと自称しています。これからソルボンヌで行う行為はすべて、仕事を生み出すための活動となるわけです。

 

 

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