
こんにちは、パリノメモの筆者をやっているジュロウです。ツイッターはこちらです(@Parisnomemo_)。
フランス語を学び始めてかれこれ8年、フランスという国に懲りずに現在は2度目のフランス留学でパリに住んでいます。
そんなボクが、これから本格的に語学力向上を目指したいフランス語学習者のみなさんにおススメしたいことは「とりあえずモロッコに行く」ことです。
その理由を5つ説明します。
【note記事】ソルボンヌ大学院に通いながらフランスで働いているぼくが自分のフランス語学習歴を赤裸々に語る
この記事の流れ
生きたフランス語を学ぶことができる

かつてフランスの保護領であったモロッコでは、フランス語が第2言語とされています。町中にはフランス語でかかれた広告がたくさんあり、教育水準によって差異はあるものの、子供から大人まで基本的にある程度のフランス語を扱うことができます。
つまり、教科書などで使われるいわゆる学習用言語としてのフランス語ではなく、実際に人々の生活で使われている生のフランス語に触れることができるのです。
生のフランス語に触れたいのならフランスに行けばいいのではといわれそうですが、そんなに簡単な話でもありません。
フランスの物価は高いんです。
モロッコの物価はフランスより遥かに安い

モロッコの物価はフランスより断然安いです。実際にボクが滞在し、しかもラマダンまで行ったマラケシュでは、安宿街にあるホテルの個室が1泊500円程度でした。ご飯だってたらふく食べて300〜400円くらいで済みます。
それに比べてフランスは、宿泊は地方でも個室を借りれば数千円はかならずかかります。ドミトリーでせいぜい千円ちょっとくらいに抑えられる程度でしょう。食事もべらぼうに高く、外食をすれば確実に千円弱はかかるでしょう。
お金かけずにとりあえず生きたフランス語に触れたければ、モロッコは本当におすすめな国なのです。
道を歩けばフランス語会話の機会あり

しかも、モロッコは、本当に「行く」だけでフランス語にたくさん触れることができます。
というのも、モロッコ人は、多くの旅行者を悩ませるくらいにしつこくそして図々しく絡んでくるからです。
散歩をしていると勝手に道案内をされて金銭を要求されたり、日本で働きたいから日本に行くための行政書類を書いてくれといきなり要求されたり、とにかく理不尽にしつこく図々しい要求を突然してくるモロッコ人が多いのです。
これを逆手にとりましょう。
大抵のモロッコ人は、旅行者とみると最初は英語で話しかけてきますが、フランス語で「英語は話せない(je parle pas l’anglais)」ときっぱり言うと、その次からフランス語で話かけてくるようになります。
これだけ積極的に頻繁に絡んでくる人々に全部フランス語で対応してみてください、本当にけっこういい練習になりますよ。
買い物は基本「値段交渉」から。もちろんフランス語

なにも道端で声をかけられるのを待つだけではありません。
モロッコでは、買い物をするときは基本的に店主とその場で値段交渉をして折り合いをつけます。食べ物なんかは大体値段が固定されていることが多いのですが、「これも一緒に買うからちょっとまけてくれよ」と要求することだってできます。
買い物をするたびに、いくらか聞いて、高い値段をふっかけらて、それは高すぎると反論して、もっと安い値段を提案してみてください。やっぱりこれも本当にいいフランス語の練習になるのです。
ボクも実際には3ヶ月滞在したので、その際に「C’est combien ?(これいくらですか?)」のフレーズをいったい何回つかったのか数え切れません。
「フランス語圏」の存在を知ることは教養につながる

最後に、ちょっと真面目なことをいうと、フランス文化やフランス語を学ぶなら、「フランス語圏」の存在を知っておいて損はないと思います。それが1つの教養になるからです。
「フランス語圏の文学」という研究分野があるほどに、フランス語はフランスから世界各地に散って、そこでいろんな思想を生み出して、いろんな文化を生み出してきたのです。
どうせ1つの言語を学ぶのなら、同時に世界に渦巻くいろんな歴史や文化などを学んでしまいましょう。
以前フランスの語学学校にかよっていた時、クラスの先生に「ここの学校の次はモロッコの語学学校に通おうと思うんだ」と告げたところ、「モロッコ人もフランス語を話せるの?」と先生が驚いていたことに驚いてしまいました。
さすがにこういう人はレアだと思いますが、なんでモロッコにフランス語が普及していて、その結果どういう影響を及ぼしているのか、それを考えるだけでどんどん知的な世界が広がっていきますね。