【語学留学】早大生がモロッコのフランス語学校で赤っ恥を書いた話

1c9324c8091d98296409c0330a2346e5_s

早稲田大学を休学して、フランスに留学しようとした頃、経済的理由と好奇心から、モロッコに3ヶ月間滞在し、語学学校に通おうと計画をしたことがあります。そのモロッコ滞在の最中、体験したことはたくさんありますが、赤っ恥をかいたのはたった一度だけです。そのときの記憶を綴ります。

 

13871857_1118474701574144_1445118406_n

こんにちは、パリノメモの筆者をやっているジュロウです。ツイッターはこちらです(@Parisnomemo_)。

 

今回のテーマは、フランス語を学ぶためにモロッコに語学留学をしたときの経験です。

【お知らせ】パリ在住ブロガーのマエダジュロウがフランス留学サポートはじめました!

 

 

モロッコでの語学留学

a0a06008e6ae7082f1a8de95812068f7_m

 

早稲田大学を休学して、フランスに旅立とうとした頃、まずはフランス語が必要だろうと当然ながらボクは思いました。もちろん、フランスでフランス語を学ぶのが理想なのですが、シングルマザー家庭で育ったボクにそんな恵まれた経済力はありませんでした。

お金がなくても、フランスでゴキブリのようにしぶとく生き延びながら語学を習得するという方法もあったのですが、ちょうどビザの問題でシェンゲン協定圏を3ヶ月間出なければならなかったため、フランスの周辺でフランス語を学べて、かつ物価が安い国を探さざるを得ませんでした。

世の中は不思議なもので、そんな都合のいい国が存在したのです。かつて、フランスがブイブイと覇権を振り回していたころ、大きく影響を受けた、北アフリカの国々があったのです。そう、モロッコ・チュニジア・アルジェリアなどの北アフリカ諸国は、かつてフランスの支配下にあったことがあり、フランス語を含めたフランス文化が色濃く残っているのです。

巨大なサンドイッチを100-150円で食べられて、個室付きの宿に一泊500円で泊まれる国で、フランス語を学ぶことができるのならば、そんな理想的な環境はないだろうと思い、ボクは北アフリカに3ヶ月間滞在する決断をしました。

行き先は、やたらとその名前を耳にし、なんとなくの安心感があるモロッコです。

モロッコの都市の1つであるマラケシュに身を置き、フランス文化機関であるアンスティチュ・フランセ・マラケシュ校の夏期講座に通うことにしました。学費はべらぼうに安かったです。以下に日本・フランス・モロッコの比較表を作ってみました。

日本 フランス モロッコ
時間 20時間 20時間 20時間
値段 35,000円  20,000円 8000円

※日本はアンスティチュ・フランセ東京、フランスはボクが実際に通ったブルゴーニュ大学附属語学学校(CIEF)の値段を参照しています。

フランス語の授業20時間に月いくらかかるかを大雑把に出してみました。シーズンやコースによって値段が異なるので一概にはいえませんが、どれをとってみても、このくらいの差は出るはずです。

モロッコの語学学校の学費が日本やフランスに比べていかに安いかが、上記の表を一瞥すればすぐにわかります。

そうして、冒険心と好奇心に駆り立てられ、いや、正直にいうとその安さに惹かれて、ボクはモロッコの語学学校に入学したのです。

【note記事】ソルボンヌ大学院に通いながらフランスで働いているぼくが自分のフランス語学習歴を赤裸々に語る

初級なのにみんなペラペラ

5041407bbc077677772736197fba84d2_s

入学登録が終わると、今度は語学学校定番の実力テストを受けさせられました。おもに文法的な知識の有無を試す試験を学生たちに受けさせ、実力別にクラス決めをするというわけです。

当時、フランス語がほとんどできなかったとはいえ、高校時代、赤点を取らないくらいにはフランス語を学んでいたボクは、6段階あるクラスのうち、下から2番目のクラス(A2レベル)に入ることができました。一番下でもおかしくはなかったので、上出来でしょう

さて、自分の実力に見合ったクラスで、自分と同等の実力をもつ他の生徒たちと切磋琢磨するのかと思いきや、授業初日でいきなりショッキングな光景を目の当たりにすることになりました。

学生が現地のモロッコ人しかいないのです。しかも、みな中高生くらいのティーンエイジャーだけで、おそらく年長はボクだったはずです。

そう、モロッコのフランス語学校は、基本的にモロッコ人の子供たちがたくさんいるのです。大学に入るために語学証明が必要であるだとか、将来仕事で使えるようになるためにしっかりとしたフランス語を学びたいとか、そういう子供たちが、日本で言ういわゆる学習塾的な感覚で通わされているのです。

ちなみに、いくら日本人であるボクにとって学費が安いとはいえ、都心の個室が一泊500円の現地物価を考慮すると、現地人にとっては決して安くない値段であるため、子供を大学に行かせられるだけの裕福さのある家庭で育った子供たちが大半です。

クラスメイトが現地人しかいない環境は、ボクにとってかなり過酷なものとなりました。というのは、さきほど、「しっかりとしたフランス語」といったように、「しっかりとしていないフランス語」ではあるにせよ、基本的にみんなフランス語がペラペラなのです

先生がお題を出せば、みんな勢いよく「ハイ!ハイ!」と手をあげ、自分の意見をスラスラペラペラと述べます。もちろん、文法レベルでいえば、みんなA2レベルであるため、ところどころ先生に文法のミスを指摘されはするものの、普通にペラペラなのです。

それもそのはず、モロッコでは日常的にフランス語がつかわれていて、商店のおっちゃんでも、魚屋のおっちゃんでも、勝手に道案内をして金をねだってくるニーチャンでも、「ハッパ、ハッパ」とマリファナを買わないかと近寄ってくるニーチャンでも、基本的に最低限のフランス語は知っているのです。事実、モロッコにおけるボクの日常生活(道を尋ねたり、買い物をしたり、友達と遊んだり)は、すべてフランス語によって行われていました。

そうして、多国籍の学生たちと、同レベルのフランス語で切磋琢磨していく日々を妄想していたボクは、突如、フランス語がペラペラなモロッコの子供たちに囲まれて、ポツンと一人置いてけぼりな生活を強いられたのです

 

「プレゼン初めてなの?」 早大生、屈辱の赤っ恥をかく

99bc3aaeba96fd47e27499283485c99f_s

 

モロッコで大学を卒業して、フランスにも留学経験のあるモロッコ人のハンサムな先生は、ある日ボクらに課題を出しました。

 

来週、各自テーマを決めて、10分程度のプレゼンをしてください

 

なるほど、本格的に語学学校っぽいことをやるのだなと感心していたボクは、その翌週、赤っ恥をかくことになります

 

課題発表の当日、クラスメイトたちは、それぞれの関心分野(たとえばラマダンやマラケシュの歴史や名所など)にしたがって、みな意気揚々とプレゼンをしていきます。

そしていよいよボクの順番が回ってきました。ボクは、一番やりやすいし、みんなも興味をもってくれるだろうと思って選んだ「日本の飲食文化」というテーマで発表を行いました。

一汁三菜の文化や、「旬」という概念、それに世界最大規模のフィッシュマーケットである築地市場などを紹介し、「いやー、日本の飲食文化って素晴らしいなホント」とボクは誇らしく思いました。ところが、グサリと突き刺さる先生のコメントがボクにふりかかってきたのです。

 

プレゼンはじめてやるの?

 

そう、当時ボクは、マジでフランス語ができなかったため、先生には、ボクがあたかもプレゼンの初心者であるかのようにうつってしまったのです。

微小な表現力や語彙力ながらも、必死に日本の飲食文化を伝えようとしたのですが、それでも、現実は厳しいものです。

画面に長文を映し出して、それを読み上げるだけのプレゼンを行った子供たちよりも、はるかにボクのプレゼンのほうが低レベルだったわけです。

 

「いや、ボクは日本で大学教育を受けている真っ最中なんだ……。プレゼンが初めてなわけないでしょう……」

 

そう反論しても、先生は聞く耳をもちません。

 

かの演説上手で知られる大隈重信が「学問の独立」を説き、日本国に残した財産である早稲田大学に通っていたボクは、遠い地の語学学校で現地の子供たちに、「プレゼン初めての日本人」というレッテルを貼られ、慰めの言葉を与えられました。

子供たちはみんないい子たちだったから、ボクのことをバカにするとかいったそういう態度はなく、むしろ「日本って本当に箸をつかって食べるんだ!」とか、「一汁三菜って、食べる量少ないね!」とか素直なコメントをくれたのですが、だからこそ、彼らにもっと日本文化のいろいろを伝えることのできなかった自分に不甲斐無さを強く感じました

今なら、不足ながらも、彼らにもっといろんなことを教えてあげられるのになぁと、当時のことを時おり思い出します。精進しましょう。

 

 

 

スクリーンショット 2017-05-23 23.37.52

 COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です