豊富な天然資源で急速な経済発展を遂げたことで知られるカタール。そんな裕福な国では、どこにどんな高級レストランがあって、それらはどんな形態でどんなジャンルなのでしょうか。そういったカタールの「美食文化」についておさせておくべき5つの傾向を紹介します。

こんにちは、パリノメモの筆者をやっているジュロウです。
現在2度目のフランス留学中です。
普段は、フランス留学や、その他のフランス関連の小ネタについてよくこのブログで書いていますが、じつはボク、専門は「飲食文化」なんです。
早稲田の学部にいたころ提出した卒業論文のテーマは「有機ワイン」に関してでしたし、現在所属しているソルボンヌ大学修士課程のコース名は「飲食文化研究コース」です。
そんなわけで、普段からよく飲食文化関連のニュース記事に目を通しているのです。
それゆえに今回は、ちょっと気になった記事をひとつ紹介したいと思います。
お題は『カタールの「美食文化」について知っておくべき5つの傾向』です!
裕福な国カタールでは、どういった形態の高級レストランがどういった場所にあるのでしょうか…?
この記事の流れ
その一:カタールの美食はホテルに集まる

http://www.atabula.com/qatar-gastronomie-restaurant/より
ラスベガスなどの超巨大高級都市に比べても、カタールの首都であるドーハやその他のカタールの都市では、ホテル業界が主要な上級レストランを抱える傾向にあります。いくつかのホテルは、多数の料理ジャンルで、レストランを10軒ほど入れている場合もあるそうです。いまいちイメージがしづらくはありますけど、ひとつのホテルにレストランが10軒というのはかなり多いのでしょうか…!?
その三:カタールの美食文化は移民者によって形成されている
トリップアドバイザーによると、ドーハには約70軒のインディアンレストランがあるそうです(629軒中)。というのも、インドは、カタールにおいて初めての外国人共同体をつくった国だそうなのです。スープのような大衆的な料理もあれば、スターシェフである Sanjeev kapoor による Siganture(Hotel Melia)のような美食も発見できます。ロンドンやジュネーブに星付きレストランをもつインド人シェフ Vinnet bhatia は、カタールエアラインのファースト&ビジネスクラスの機内食を手がけています。
その三:フランスの美食はほとんど無い

http://www.atabula.com/qatar-gastronomie-restaurant/より
Guy Savoy による Quisine が2014年に閉店して以来、フランスの高級レストランはカタールにほぼ存在しません。それに対して、高級レストランではなく、より一般的なレストランやブラッスリーのような飲食店はいくつか見つけることができます。
TIME OUT誌は、町の高級レストランセレクションにおいて、「日本料理」・「インド料理」・「ラテンアメリカ料理」というカテゴリーは作ったものの、やはり「フランス料理」という項目は作成しませんでした。
経済的に裕福な国で、ホテルや高級レストランもたくさんあるのに、「フランス料理」があまりないというのはやや意外ですね。
その四:むしろ「アメリカ料理」が台頭
カタールを訪れた人がすぐに目にするのは、「アメリカ」に関する飲食店がたくさんあるという事実です。マクドナルドにバーガーキング、ダンキンドーナツやバスキンロビンスなど、よく聞くアメリカの飲食店がカタールには台頭しています。
メディアとイベント
小さな国であるカタールには、飲食店とともに、それに関するメディアが存在します。「Time Out Doha」という月刊誌では、編集長の Will Miler が18の分類分けにしたがって年間の最高レストランセレクションを企画しています。
カタールで行われる飲食関連のイベントとしては、カタール・インターナショナル・フード・フェスティバル(QIFF)が挙げられます。このフェスティバルは2016で7回目の開催となります。
・
・
・
さて、カタールの美食事情なんてのはまったく知らなかったし、そもそもあまり興味のない人もたくさんいるかと思いますが、いざその特徴を羅列してみると少し面白くもあります(とくにフランス料理があまりないのとか…)。裕福な小国で、どんな美食文化が形成されているのか、かなりニッチな情報ではありますが、頭の片隅ぐらいには入れておいてもいいかもしれませんね。
参照元:ATABULA