【インタビュー】「どうせ忙しいなら好きなことをやりたかった」29歳会社をやめてフランス留学

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こんにちは、パリノメモの筆者をやっているジュロウです。ツイッターはこちらです(@Parisnomemo_)。

 

今回はインタビュー記事となります。

インタビューを引き受けてくださったのはボクと同じ奨学金を受けて現在フランスにいる松下直也(仮名・まつしたなおや)さん。新卒で入社したメーカーでの工場管理の仕事を3年で辞めて、大学の仏文科に編入し直し、勉強をしてからフランスへと飛び立った29歳・パリ第4大学(ソルボンヌ)大学院生の方です。多忙に追われた日本の会社を抜け出して、「好きなこと」だけをやる人生を送る決意をした松下さんのお話をお届けします。

 

「どうせ忙しいなら好きなことをやりたかった」

(文献を探すために本屋を何軒もハシゴすることが多いという)

本屋で本を探すのが日課の松下さん

 

―― お時間を取ってくださりありがとうございます。まずは自己紹介をお願いします。

松下と申します。もう今年で30歳になるんですが、ソルボンヌ大学の大学院で学生をやっています。ずっと学生をやっていたわけではなくて、今から3年前に会社を辞めて学生に戻っちゃいました(笑)。専門はフランス文学で、毎日毎日フランス語で本を読み漁る日々を送っています。

 

―― 26歳のときに会社を辞めて、フランス文学の勉強を始められたとお聞きしたのですが、もともとずっとフランス文学を学ばれていたのですか。

いや、新卒で会社に入る前に通っていた大学ではもともと法学を勉強していました。第2外国語もドイツ語だったし、フランス文学とはまったく関係のない人生を送っていましたね。

ただ、もともとクラシック音楽をやっていて、それでフランス文学に興味を持ったんですよね。

 

―― どういうことでしょうか。

音楽関係ってやっぱりドイツがすごく強いんですけど、それだけ層も厚くて、音楽関係のドイツ文献の翻訳とかってしっかりとしてるんですよね。

でも、フランスはというと、じつはドイツほど音楽関係の翻訳の質が高いものは少なくて、これは音楽関係者でフランス語を扱える人間は需要があるんじゃないかと思いました。

正直に言えば自分自信が音楽家になるのも夢ではあったんですが、現実的に考えるとあまりにもお金がかかりすぎるから、それじゃあと思って子供のころから好きだった「読書」と結びつけることにしました。それでフランス文学なんです(笑)

それにフランスのクラシック音楽って、特にオペラとかは文学作品から影響を受けているものがけっこうありますしね。

 

パリ市内にある学生寮に松下さんは住んでいる

パリ市内にある学生寮に松下さんは住んでいる

 

―― なるほど、戦略的にたどり着いた結論が「フランス文学」だったのですね。現在、博士課程に所属して研究をされているということですが、将来は大学教授になられるのですか。

もちろん研究者になりたいとは思っているんですが、なによりもまず「自由業」に就きたいと考えています。

フランス語っていう語学スキルを身に着けようと思ったのもじつはそれがきっかけで、誰かに拘束されずに自分がいたい場所で自分のペースで仕事をできる能力が欲しかったんです。

前にいた会社では、その会社だけで通じる専門性を得ることはできても、それって一生その会社にしかいれないっていうことを意味してますから…。会社ごとのシステムが違う以上、転職にも限界があったので。

会社員って、その会社の会社員でいればいるほど、ずっとその会社の会社員でしかいれなくなっちゃうんですよ。

 

―― 「自由業」に就きたいと思われるようになったのは、前にいらっしゃった会社での経験が原因でしょうか。

まったくもってその通りです。前にいた会社では工場での管理業務をやっていたんですが、拘束時間がめちゃくちゃ長いんですよ。

8時から24時まで職場にいることが多い生活で、平均して月100時間残業でしたね。土日もほとんどなかったです。外回りではないからものすごく体力を削られたりはしないんですけど、ただひたすらに工場の責任者としてその場に拘束され続けているという感じです。

残業代も出るし、休日手当も出たから、それだけが唯一の救いだったかな…。

 

―― 残業代や手当もしっかり出るということで、給与的には満足されてたみたいですが、どういったところに抵抗があったのでしょうか。

なんだか、人生を無駄にしている気がしたんですよね。よく、人生の3分の1が仕事で、睡眠が3分の1で残りがその他っていいますけど、自分の場合4分の3が仕事で4分の1が睡眠だったんですよ。

職場が関東近郊の僻地にあったもので、たまに休日があっても周りになにもないから特になにか楽しいことができるとかそういうのもなかったんです。そのおかげで辞める直前は、休日を全部フランス語の勉強に捧げることができたんですけどね(笑)

関東近郊にある元職場付近の風景。最寄り駅までは徒歩4時間の僻地にあったという

元職場付近の風景。最寄り駅まで徒歩4時間の僻地にあったという

 

―― 仕事を「辞めよう」と決心を固めたきっかけはありましたか。

徐々にそう思うようになったからきっかけというきっかけはなかったんですけど、強いていうなら上司とか他の部署の同期とかとの会話ですね。

同期に他の部署の話を聞くと「おまえはまだマシな方だからな」と言われたり、上司からは「あと倍は残業しないとな」って冗談っぽく言われたり、こりゃもうダメだなと思いました。

もちろんさっきも言ったとおり、お金はしっかりもらえたから養う家族とかがいればそれでもよかったかもしれないんですけど、自分は「どうせ何かに拘束され続けるなら、好きなことに拘束されていたい」と思いました。

 

―― なるほど。最後に今後の計画について教えてください。

まぁ、まずは博士の学位をとって、フランス文学の研究者の道を目指します。読書が好きだから、それを研究することを仕事にできれば願ってもないことです。

たとえそれが難しかったとしても、好きなことを自由にできる仕事をしていこうと思います。同じ忙しいなら好きなことをやっていたほうが楽しいですからね!

 

 

 

パリノメモのコメント : 今回は日本での会社員生活をやめて、もう一度大学に編入し直してまで自分の好きなことやる決断をした松下さんへのインタビューでした。ボク自信もやりたいことをやりたくて就活を放棄してフランスに来た節があるので、大変共感できる内容でした。自分の好きなことを自分の意志でやり抜いている松下さんの表情にはなんの迷いもなく、毎日を楽しく過ごされているのだなと、その口調からひしひしと伝わってきました。

インタビューを引き受けてくださった松下さん、ありがとうございました!

 

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