時間とはあっという間で、同期の友人が会社で働き始めてから1年以上が経ちました。早稲田大学に通っていた頃、就職のチャンスはいくらでもあったけれど、なぜボクは就活という行為を放棄してフランス行きを決断したのでしょうか。

こんにちは、パリノメモの筆者をやっているジュロウです。
現在パリのソルボンヌ大学・修士課程に留学中です。
現在は順調にフランスでの留学生活が回っているのですが、じつは早稲田大学の学部にいたころ、一般企業に就職しようか死ぬほど悩んだ時期がありました。
悩みぬいた挙句、結局フランスの修士課程への進学を決意したわけですが、それには3つの理由がありました。
「それ面接のネタになりそうだね」
まず初めに、ボクが就活をしたきっかけになったのは、ある友人の一言でした。
友人と将来について話し合っている時、ボクがフランスの大学院への進学をしようかどうか迷っているという旨をその友人に相談してみました。
するとその友人はボクの悩みに対して明瞭に助言(?)をくれたのです。
「それ面接のネタになりそうだね」
どうやらその友人は本気で言ったようでしたが、ボクにはどうも違和感しか感じられませんでした。
ボクはやりたいことがあってフランスにいくのに、それすらもすべて「ネタ」になってしまう底なしの就活システムに疑問を抱いたのです。
そもそも、就活をするか進学をするかで迷っているのに、その進学すらも結局は就活のためのネタになってしまうのかと思うと、なんだか残念でなりませんでした。それまでの人生とそれからの人生がなんだか否定されてしまう気がしたからです。
そうして、ボクがこれからするすべての行為が就活のネタ作りになってしまわないために、一度その就活システムから抜け出してみようと思ったのです。
今じゃなくてもいい
とはいえ、何かしらの形で働かなければ行きていけないのは事実ですから、いずれ就職というのをしなくてはならない時期が来るかもしれないのもまた事実です。
しかしながら、22~23歳程度の学部新卒の時点でそのプレッシャーに屈する必要はないと思いました。
なぜなら、20代半ばや後半になってからまともに働き始めるという社会があるということを知ったからです。
とくに、ボクの場合韓国に友人がたくさんいたため、2年間の徴兵制度を経て、さらには学部時代も休学してワーキングホリデーや留学に行くのが当然である彼らの姿を見て、「そんなに焦る必要はないのかもしれない」と思うに至ったのです。
そもそも22~23歳なんてまだまだ子供もいいところだし、あと数年ほど自分を高める期間があってもいいはずだと思って、海外進学を決意しました。
大学院での勉強が終わって、そのときに必要であればまた就職活動をすればいいわけですし、いま自分にやりたいことがあるのならそっちを優先してもいいなと考えたのです。
なにもいま焦る必要はないのです。やりたいことをやりましょう。
学費が無料という「チャンス」
やりたいことをやると決意したボクにとって、興味の対象が「フランスの大学院」であったことはひとつのチャンスでした。
というのも、フランスの大学院は基本的に授業料が無料で、現地では家賃や食費などの基礎生活費しかかからないからです。大学の登録料はかかりますが、せいぜい300~500€程度です。
学生にこういった充実した環境を提供しているのはなにもフランスだけではないので、「海外進学」というのはみんなに与えられている選択肢だと考えています。興味のある方は、以下のリンクを参照されてみてください。学費の安いヨーロッパの大学がまとめられています。
あるようで意外と情報の少ないこのまとめ。これだけ安く、学校にいけるっていうんだから利用しない手はない➔【学費が安いヨーロッパの大学13カ国をまとめました。】〔2016年版〕 https://t.co/ddVaO34dt7@sharethisさんから
— ジュロウ@日韓ハーフ、パリに移住 (@Parisnomemo_) 2016年8月14日
学費が安いというだけでなく、海外の大学院に進学をする場合、奨学金という強力なサポートシステムも利用することができるようになります。
貸与タイプのものは比較的多くの人が利用できますし、給付タイプの奨学金は、一定程度の倍率はあるものの、採用されればかなりの優遇措置を受けて海外進学できることになります。
ボクも最終的に「フランス政府給費留学制度」という奨学金に採用され、ほとんど貯金無しでフランスの大学院への進学を実現することができました。
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このように、海外進学を実現する環境はかなり整っているのです。就活を絶対的な悪だとはいいませんが、もし少しでも、新卒ですぐに就職せずに海外に行ってみたいという気持ちがあるのなら、チャレンジしてみる価値は十分にあります。
すぐに就職をせずにやりたいことがあるのなら、ぜひそれを実現してみましょう。
実際にフランスの大学院への進学を果たしたボクに悔いはまったくありません。