
こんにちは、パリノメモの筆者をやっているジュロウです。ツイッターはこちらです(@Parisnomemo_)。
今回は、ブログ「パリノメモ」がやろうとしていることの1つである「ブログの収益による海外生活は可能なのか実証プロジェクト」について、改めてまとめてみたいと思います。
【note記事】「ブログ収益型の海外滞在」はどこまで実現できたのか?1年間の収益を徹底分析!
海外生活にはお金がかかる、でも仕事が無い

「パリノメモ」は、ブログによる収益の獲得を明確な目的としています。つまり、このブログで利益を得ようとしているということです。
なぜなら、ボクが以前フランスに留学した時、資金が底を尽きてしまって何もできなかったからです。
海外生活は、移住であれ留学であれお金がかかります。でも、日本とは違ってそんなに簡単に仕事が見つかるものでもないんです…。労働許可が降りるビザが必要だし…。
順を追って説明していきます。
無謀な留学

いまからおよそ3年ほど前、ワインに興味をもって渡仏をした経験があります。若さゆえに、まともなプランもなく、貯金もほとんどもたずに、勢いだけで飛び込んだ、無謀な留学でした。
お金もプランもないけれど、情熱と気合いだけで留学をモノにできた……なんていう漫画のようなストーリーが待っていればよかったのですが、現実はそんなに甘くはありませんでした。
気づけば貯金は1万円を切っていて、もはや部屋の中で身動きをとることすらできなくなっていたのです。
食費を切り詰め、500gで50円程度のスパゲッティに油と塩をかけて食べる日々、意外と高い胡椒やニンニクを買う余裕すらありませんでした。地方のワイナリーでの住み込み研修を希望していたため、もし受け入れ先が見つかったときのために、交通費を確保しておかなければならなかったからです。
幸運にも、人的な縁に恵まれ、ローヌ地方とジュラ地方にある小さなワイナリーで短期間の住み込み研修をすることはできましたが、4ヶ月間いたフランス滞在のうち、合計2ヶ月弱程度しか住み込み研修をできなかったことを考慮すると、ボクのワイン留学は、決して成就したとはいえないでしょう。
切実な想い ― お金が必要だ
当時、幸運にも、フランスにいた知り合いが事務所を宿替わりに提供してくれたので、宿泊費がかかるということはありませんでしたが、貯金が1万円をきると、他になにかのアクションを起こすことすら困難になっていました。

食費節約のため、直接小麦粉を買って麺をこねる日々。
もっと積極的に動き回って活動をしたかったのですが、それすらできずに部屋でじっとしながら何かしらの朗報を待つだけの日々が続きました。
自転車でリヨンからボジョレーまで行ったりもしたのですが、そう簡単に見知らぬ日本人を受け入れてくれるワイナリーはありませんでした。
当時のボクは、切実に思いました。もしお金がもう少しあれば、またなにか違っていたのかなと。もし、フランスにいながらにして、たとえばパソコンひとつで在宅ワークによる収益を得ることができていたのなら、事情は異なっていたのかなと。
お金の問題ではなくて、おまえのやる気の問題だという反論も考えられますが、それはある一定程度までいえることであって、リアルに異国の地で貯金が1万円しかないと、どんな情熱も形にすることができないのです。交通費すら払えないのだから。
留学活動をコンテンツ化し、収益を得る

そんなふうに、部屋にこもるだけの日々がいたずらに過ぎていく中、考える時間だけはたっぷりとあったので、あるアイディアが思いつきました。
それは、上に書いたとおり、パソコンで在宅収入源を作るということでした。
当時は、ウェブサイトによる収入といえば、まとめサイトなどのアフィリエイト収入しか思いつかなかったので、ウェブサイト制作スキルをもつ友人に頼んで、一緒に「海外反応系のまとめサイト」を制作しました。たまたま、ボクが韓国語を扱うことができたため、韓国のネット掲示板を日本語に翻訳して伝えるという形態のまとめサイトでした。
つたないながらもサイトを運営していくと、意外にも読んでくれる読者の方々がたくさんでき、半年で1日pvが1万4千に至りました。
しかし、運営していくにつれて、根本的な問題を発見しました。それは、留学にいっているのに、まったく関係のないことに精を出していたら、もはや留学にいっている意味がないということです。
当然、フランスの反応サイトを作ることも考えましたが、いわゆる日本の「2ちゃんねる」のようなサイトがフランスにはなく、ニュースサイトにつけられるコメントも、議論好きのフランス人らしく長文が基本であるため、あまり好ましいサイトの形態ではないと考えました。
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そこでたどり着いた結論が、自分の活動自体をコンテンツ化し、それをブログで発信することによって収益をあげればいいのではということだったのです。
自分の活動をコンテンツ化というところに疑念を抱かれそうですが、よく考えてみると、このプランには可能性が見出せます。
たとえば、ボク自身が今回フランスに留学するにあたって、現在進行形で行っている手続き(奨学金、大学登録、語学試験など)に関する情報を必要としている人はいるはずです。実際にボクが必要だったのだから。
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しかも、今の時代では、需要が高く、かつ既存の情報が少ないコンテンツであれば有料にして販売することができます。たとえば、note(ノート)といった、個人同士が簡単にコンテンツを売り買いすることのできるプラットフォームがありますね。
ボクも実際に有料コンテンツを販売して、収益が生まれ始めています。
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それに、なにも有料コンテンツの販売だけではなく、海外に滞在してブログ記事を配信しているというだけで、それが実績になり、ライターとして他のメディアから仕事を受注することだって可能です。
現在ボクも実際にいくつかのメディアから継続案件をいただいています。
フランス現地の企業と提携することも可能性としては考えられますね。
それだけでなく、もちろん従来のブログの収益システムである広告掲載や、あるいはBASEやStore.jpなんかを利用してブログに関連したネットショップの開設なんかも収益手段としては考えられます。
大なり小なり、ブログには収益源の多角化をはかれる可能性が秘められているのです。
新しい海外滞在の形

もし本当に、海外で生活しながら、現地での活動をコンテンツ化して収益を生み出し、その収益をさらに現地での活動に充てることができれば、新しい海外滞在の形というのが見えてこないでしょうか。
そんな一個人の海外滞在なんか誰も興味もたないよと言われるかもしれませんが、上に述べた事務的な手続き情報や、あるいは現地でのコアな情報など、必要としている人は実際にいるはずです。
そもそも、海外で生活をしたいという人は、何かしらの関心と専門性をもっているはずです。ボクでいえばそれは「飲食文化」という分野であったり、フランスの他の留学生でいえば、「音楽」や「ファッション」であったりするかもしれません。
実際に現地でそれらの分野に触れている人の情報に興味を持ってくれる人は必ずいるはずだし、コンテンツの質によっては、お金を払ってでも欲しいといってくれる人がいるかもしれません。
この現地の活動をコンテンツ化して収益化をはかるということがもし本当に実現できれば、従来までの「貯金をして海外にいく」や「奨学金をもらって留学にいく」などの形ではない、まったく異なった新たな海外滞在の形が見えてくるはずです。極端にいってしまえば、ウェブサイトを運営しながら、無一文で海外に飛び込むのも可能であるかもしれません。
その前例をどうにか作れはしないかと奔走しているのが「パリノメモ」なのです。
もちろんそれだけではありませんが…。
おわりに
もちろん、専門的なプログラミングなどのスキルがあれば、このプロジェクトはさらに実現可能なものとなるでしょう。
その点でボクも学ばなければならないことがたくさんあるのですが、ただ少なくとも現時点では、ボクは技術で何かを作る人になるというよりかは、むしろ自分が外に出て、人と会って、何かを企画していきたいという気持ちでいます。バリバリの文系なわけです。
その意味で、このブログはあくまでプラットフォームにして、ここからどんどん自分の世界を広げて行きたいと思っています。
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